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ロンドン在住の通訳者平松里英のブログ

Tag: gender parity

国際女性デー Vol.1

ロンドン在住通訳者の平松里英(rielondon)です。

3月8日は国際女性デー。

カナダのトルドー首相 ソフィー夫人SNS炎上

カナダのトルドー首相夫人がインスタグラムで人々に訴えた内容が、炎上したそうです。
ソフィー夫人のインスタグラムの当該投稿リンク

国際女性デーは、女性を支えてくれる自分の「同盟相手」の男性も祝福しよう、
つまり、ジェンダー平等を一緒に推し進めてくれる男子、男性も取り上げるべきだ、
ということのようです。

以下、カナダのガーディアン紙(英語記事)

彼女の提言については、意見が二つに割れています。
インスタグラムの彼女の投稿に寄せられたコメントのいくつかを挙げてみます。

“Embarrassing. She doesn’t get it.”
恥ずかしい。この人、全然わかってない。

 

“I am not a woman unless I have a man. Thank you for reminding me.”
男がいなければ私は女じゃないってことね。思い出させてくれてありがとう。[皮肉]

 

“Celebrating #iwd2017 by celebrating men. Nope, try again.”
男性を祝福して♯iwd2017(国際女性デー)を祝いましょう。ありえない。はい、やり直し。

 

“She wants IWD to be a celebration of Justin Trudeau. She should be celebrating the powerful women in her life!”
IWDを夫、ジャスティン・トルドーを祝う日にしたいだけでしょ。[そうじゃなくて]自分の人生で出会ったり、関わったりしたパワフルな女性たちを祝福するべきでしょ!

私は、基本的に、ソフィー夫人の考えに賛成です。

ただ、国際女性デーには、女性を称えるべきだという主張は、たしかに一理あると思います。

そもそも「国際女性デー」って何?

ここで、国際女性デーって、どういうものなのか、
どういう日なのか、見てみましょう。

国連女性機関の日本事務所のウェブサイトによると

国際女性デー(IWD)とは

国連は、1975年の国際婦人年において、3月8日を国際女性デー(IWD)として定めました。そして2年後の1977年12月、国連総会は、加盟国がそれぞれの歴史と伝統に応じて、1年のうち1日を女性の権利及び国際平和のための国連の日と宣言できる決議を採択しました。

国際女性デーは、20世紀への変わり目に、北アメリカおよびヨーロッパ各地での労働運動から始まりました。このような初期の時代から、国際女性デーは、先進国及び途上国ともに、女性のための新しいグローバルな姿をとりあげてきました。この成長し続ける国際的女性運動は、4つの世界的な国連の女性会議によって強化されています。 そして、女性の権利、及び政治・経済活動の場への女性参画をサポートする結集の場を記念する国際女性デーを支援しています。

国際女性デーは、これまでの前進を振り返り、変革を呼びかけ、国や社会の歴史上すばらしい役割を果たした一般の女性たちの勇気と決断を称える日です。

とあります。

国際女性デーの起源

では、国際女性デーの起源は?というと、アメリカやヨーロッパ各地で起きた徐栄による労働運動です。
1900年代のアメリカのニューヨークで服飾工場の女性労働者が起こした抗議運動や、
イギリスで起きた女性参政権(ちなみに参政権は Suffrage)運動など。

これら、女性による一連の社会運動や抗議デモ、その不屈の精神を称え、
同時に、未だ被害者となる女性が後を絶たないことに、真剣に思いを馳せる日なのです。

イギリス女性参政権論者「サフラジェット」

イギリスの女性参政権を訴え戦ったメンバー(闘士たち)はSuffragetteと呼ばれました。

ちなみに、2015年にはそのままの名称 “Suffragette” で映画になりましたね。
(邦題『未来を花束にして』) ←まったく「婦人参政権論者」ということが伝わってこないタイトル(悩)

  • 映画 “Suffragette” 公式予告 YouTube(https://www.youtube.com/watch?v=056FI2Pq9RY)

ハンガーストライキなど、壮絶な抵抗運動を続け、
イギリスで婦人参政権が認められたのは1918年。

イギリス|女性だけじゃない、男性にも参政権がなかった。

1918年の選挙法改正。
この時、初めてイギリスで普通選挙制が実現したのです。

21歳以上の男子と30歳以上の女性に選挙権が認められました
つまり、これまではイギリスには普通選挙制がなかったということです。

Before 1918, the vote was restricted not simply by sex but also by property qualifications.
1918年までは投票は制によって制限されるだけでなく、財産資格によっても制限されていた。

出典:“Why has everyone forgotten about male suffrage?” (どうして誰も男性の参政権について覚えていないのだろうか?)

婦人参政権と聞くと 男性にはもともと参政権があった かのように思ってしまいますが、そうではありません。

女性だけでなく、男性も限られた人(資産家)しか、選挙権が与えられていなかったのです。

 

ところで、

世界で初めて婦人参政権を認めた国はどこでしょう?

 

 

 

それは、アメリカでも、イギリスでもなく、

ニュージーランド。

 

ニュージーランドでは、1893年に女性参政権を実現。

イギリスで普通選挙制が認められる25年前。

つまり、四半世紀も前に、すでに、

遠く離れた南半球の島国、ニュージーランドには女性に選挙権があった!

 

同じ島国でも、ジェンダーにおける進歩が随分と違いますな(ため息)。

 

そこに裏打ちされているケイト・シェパードの精神

All that separates, whether of race, class, creed, or sex, is inhuman, and must be overcome.
道徳心の向上には人種、階級、信条、性別による分離を克服しなければならない。

 

すばらしい信念ではありませんか!

 

アメリカ、そして欧州でもポピュリズムが台頭してきて、

大衆迎合主義、右傾化、孤立主義、分離…

 

これまでの価値観や戦いに逆行するような動きをバッサリと切り捨てるこの考え方。

いいねぇ!ああ、スッキリ。

 

イングランドはリバプール出身のケイト・シェパード。

彼女の女性参政権運動の指導の下、
何度も議会に請願書を提出した末、1893年に可決されたのです。

こういった土壌があるからでしょうか。
男女の賃金格差は、アメリカよりも、ニュージーランドのほうが小さいのです。

 

ちなみに、

日本は世界ワースト3入り(3位)。
女性が管理職に占める割合は先進国中(ここではG7)、堂々の最下位

出典:Global Gender Gap Report 2016(世界経済フォーラム2016)

 

でも、悪口(笑)ばかりではありませんよw

先日、とても励みになる素晴らしい発言を発見。

世の中の半分は女性なのに、マネジメント層は男性ばかり。

優秀な人は男女を問わず優秀。これでは片翼しか使わずに飛行しているようなもの。

企業が成長できるわけがない。

 

ポイントはある。1つは、トップがはっきりコミットする。さらに数字でコミットすること。登用は上からやる。下級の管理職から細々とやるのではなく、上級管理職を早く女性にすれば、あとは早い。

これ、カルビーの松本社長のコメントです。

 

私から見たら、当たり前であるべき、合理的で、シンプルな話なのですが、

なぜ、こんなに男女参画だ、ジェンダー平等だというと、難しいのでしょうかね。

 

男性にとことん不都合な事でもあるんでしょうか…?

 

そういえば、うちは夕飯はほぼ毎日夫が作りますし、掃除も洗濯もやります。

(難しいことでもあるまいし、こんなことを記述しているのが、馬鹿らしい…)

「家事ができる夫の方が離婚率が高いらしい、なんでかな。」

と言っていたので、お互いが独立しているから別れる時も迷いが減るのよ、きっと。

夫が家事ができるのが悪いのではなくて、お互いが共依存度が低い証拠でしょう?と。

夫が家事ができる、そして実際に家事を負担する。

↑気が向いたときだけということも大いにあり得るので「できること」と実際に「やる」かどうかは別。

これは、

悪いことではなくて、良いことです。

大人ですからね。

 

お互いがしっかり自立して、尚且つ、支えあったり補い合えるほうが、

お互いに頼りあって、共倒れしてしまうより良いと思います。

 

名古屋の国際女性デー(IWD)イベント参加(昔)

考えてみると、イギリスに移って来てから、
つまり、もう10年もこの日を記念する活動やイベントには参加していないことになります。

日本にいた頃、
アイルランド留学よりも前ですから、20年近く前になるのですが、
地元の名古屋で、国際女性デーの活動に参加していた時期がありました。

その頃に仲良くしていた近所のイギリス人の友だちに誘われ、
集会に行ったのがきっかけでした。

私が参加した国際女性デーの活動。

そこではオーストラリア人女性のイベントのリーダー、
日本人の中心的役割を担っていた女性たちに、
アメリカ人の女性留学生や英語教師の面々など。

当日は、フレンドリーなパレードもしました。

詳しくは後日、Vol.2、Vol.3に続きます。

(つづく)

 

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国連事務総長 就任「2017年を平和の年に」演説

Appeal for Peace 01.01.2017

ロンドン在住日英通訳者の平松里英(rielondon)です。今回は 国連事務総長正式就任2017年年初の演説 を取り上げます。「気になる英語表現」は最後にあります。

 

【今日取り上げるニュースメディア】

UN News Centre New UN chief Guterres pledges to make 2017 ‘a year for peace’

【ざっくりサマリー】

✔ 新 国連事務総長にポルトガルのグテーレス氏が正式に就任

✔ 年初の演説で「2017年を平和の年に」と訴え

✔ 次期 国連事務総長に決まったのは2016年10月13日

✔ 任期は5年後の2021年12月31日まで

✔ グテーレス氏の略歴

2017年1月1日 新 国連 事務総長の正式就任

2017年元旦、第9代 国際連合事務総長にアントニオ・グテーレス(António Guterres)氏が国連総会(the UN General Assembly)にて正式に就任しました。

「これまでは安全保障理事会が候補を一人に絞り、この唯一の候補のみが国連総会に提案されていました。安全保障理事会でのいわゆる密室の協議で事実上決定されていたため、選出プロセスの閉鎖性に批判が集まっていました。」(http://www.unic.or.jp/news_press/info/18566/)

これを受け、2016年4月には国連初の試みとなる公開面談が行われ、10月に初めに国連安全保障理事会(the UN Security Council)が国連総会に勧告し、就任が確定しました。

そして、就任宣誓式(swearing in – ceremony)が12月12日でした。

激震の2016年、2017年は?

「一年の計は元旦にあり」

暗澹たる、そして激動・激震の2016年が幕を閉じ、続く新年の幕開けでの交代だけあって、

2017年を方向づける幸先の良い出発だったと、後で振り返れるよう願わずにはいられません。

国連事務総長の任期

さて、グテーレス新事務総長(Secretary-General)は1995年から2002年までポルトガルの首相を務め、

2005年から2015年までは国連難民高等弁務官(the UN High Commissioner for Refugees )として様々な活動に従事。国連事務総長の任期は5年なので、2021年末までということになります。

なお、第8代の国連事務総長 藩基文氏の任期は2007年から2016年までの10年間(つまり5年任期を2期)でした。

これまでは、近年では、第6代事務総長 エジプトのブトロス・ブトロス-ガーリ氏が、アメリカが再選に際し拒否権を発動したため5年で退任した以外は、第7代 コフィ・アナン氏、第5代 ハビエル・ペレス・デクエヤル氏も2期(10年)務めています。

事務総長による新年のスピーチ全文

新事務総長は新年の抱負として、“Peace must be our goal and our guide” と述べ、2017年を平和に向けた年とするようすべての市民、各国政府、指導者たち(all citizens, governments and leaders)に向けて様々な相違を超える努力をするよう(to strive to overcome differences)訴えました。

2017年1月1日 国連事務総長スピーチ 平和への訴え -全文-(Appeal for peace from UN Secretary-General Antonio Guterres)

他メディアの関連ニュース

2016年10月13日のCNNニュース「国連がポルトガルのアントニオ・グテーレス氏を次期事務総長承認 (UN approves Portugal’s Antonio Guterres as next secretary-general)

では、10月5日に逃げ切りの最有力候補as the Security Council’s runaway favorite)となっていた氏を193加盟国の全会一致で次期事務総長となることを承認したと報道されています。

どんな国連事務総長になるでしょうか。

2016年10月6日のBBCニュース 「グテーレス氏とは誰なのか。次期国連事務総長の人物像 (Who is Antonio Guterres? Meet the UN’s next secretary-general)」では、

グテーレス氏は副事務総長に女性を起用すると予想されます。「男女共同参画」の国連における重要性を説いてきたからです。

He is widely expected to select a woman as deputy secretary-general, having said that “gender parity” is crucial at the United Nations.

とあり、

ヨーロッパ外交評議会の研究員、リチャード・ゴワン氏によれば、内部関係者はポルトガル出身のグテーレス氏が「国連に必要な『尻叩き』をしてくれるのではないか」と話している、とのこと。

Richard Gowan, a UN expert at the European Council on Foreign Relations, said insiders believed Mr Guterres, from Portugal, “could give the UN the kind of kick up the backside it needs”.

グテーレス氏の背景

グテーレス氏は、50年余り続いたポルトガルの独裁政治が終焉した1974年に社会党に入党し、間もなく専従の政治家になりました。[それ以前は大学で電気工学と物理を勉強し助教授をしていた。]

He joined the Socialist party in 1974 – the same year five decades of dictatorship came to an end in Portugal – and soon became a full-time politician.

 

1995年には社会党の書記長に就任、のちに首相に就任し2002年まで務めました。

In 1995, three years after being elected the Socialist Party’s secretary-general, he was voted in as prime minister, a position he held until 2002.

 

今回の国連事務総長の指名前のUNHCR(国連難民高等弁務官)としての経験が今回の人事への試金石(=意訳)となりました。

Prior to his nomination, he said that his work at the UNHCR had been excellent preparation for a secretary-general.

第9代 国連事務総長の役割

事務総長の役割(The role of the Secretary-General)」に、以下のように記されています(抜粋)。

立場が対等な外交家であり唱道者であり、公務員であり、CEOである、事務総長は国連の理想の早朝であり世界の人々、なかでも特に貧しく弱い人々の利害における代弁者である。

Equal parts diplomat and advocate, civil servant and CEO, the Secretary-General is a symbol of United Nations ideals and a spokesman for the interests of the world’s peoples, in particular the poor and vulnerable among them.

 

《注目の英語表現》

  • The UN Security Council  国連安全保障理事会
  • The UN General Assembly  国連総会
  • gender parity  男女同権、男女共同参画
  • at the helm of the United Nations  国連の舵取り役に当たり
  • civilians are pounded with deadly force  市民が致死性の高い武力で猛攻撃を受けている
  • forced from their homes, dispossessed and destitute  家を追われ、貧窮しており
  • fueling cycles of mistrust and fear that can last for generations  不信と不安の循環のエネルギーとなって何世代nにも続く可能性がある
  • peace must be our goal and our guide  平和が私たちの目標であり、手引きでなくてはならない
  • I appeal to you all  懇願する(切に訴える)
  • equal parts diplomat and advocate  立場が対等な外交家であり唱道者
  • the poor and vulnerable  貧しく弱い立場にある人々

 

今年最初の記事は1月1日のグテーレス氏のスピーチの中から、次のことばで締めくくろうと思います。

それではまた!

 

“all that we strive for as a human family […] depends on peace.

人類 として私たちが尽力することのすべては平和にかかっています。

But peace depends on us.”

ところが、平和は私たちにかかっているのです。

 

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▶ 関連記事 国際連合広報センター「この人に聞く:次期国連事務総長に任命されたアントニオ・グテーレス氏」

 

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