I INTERPRET LONDON

ロンドン在住の通訳者平松里英のブログ

Tag: Japanese (page 1 of 2)

戦没者追悼記念日によせて

ロンドン在住通訳者の平松里英(rielondon)です。

明日、2017年11月12日 戦没者追悼記念日です。

英語では Remembrance Sunday と呼ばれ、11月11日に一番近い日曜日になります。

なぜ11月11日なのか。

第一次世界大戦が終結したのは1918年11月11日だから。

第一次・二次世界大戦の戦没者を追悼する日です。

(ちなみにアメリカでは「Veterans Day」と呼ばれているとか。)

イギリス人にとって大切な日

毎年この時期になると街頭で赤い造花のポピーを見かけます。

傷痍軍人が作ったものですが、10月に入った頃でしょうか。街頭で募金活動を見かけるようになります。イギリス人なら、この時期にケシの花をつけていない人はいないというくらいです。

もちろん英国在住の私も付けます。

夫が衛兵ということが大きな理由ですが…。

ケシの花ピンの通し方 ポピーの留め方

付け方はちょっとコツがいるのですが、ケシの花と一緒にピンが渡されるので、ピンをこのようにして(上の写真)コートの襟などにつけて、横向きのピンに茎の部分を通します。

 

勲章もそうですが、男性は自分から見て、女性はです。

 

余談ですが、ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式ではデービッド・ベッカム氏が女王から頂いた勲章をなんと右側に付けていたので恥ずかしいこととして報道されてしまいました。あとで慌てて直していたようですが…。

 

当日は、一部始終がテレビ中継されます。この行事は6月の「女王陛下の誕生日パレード」(正式には、Trooping the Colour = 軍旗敬礼分列式という)と並んで、重要なものです。

さて、なぜ赤いケシなのか?

赤いケシは、過酷な状況でも咲くことで知られる。第一次大戦で激戦地となったフランドル戦線。戦闘の後の悲惨な環境でも咲くことができたのはケシの花くらいだった。戦争を終えた土地には一面に咲き乱れるケシの花があったそうです。

大変多くの犠牲を出した戦いとしては、昨年は、2日間で6万人もの兵士が犠牲となったソンムの戦い(フランス)の100周年でもありました。

この赤いケシ、カナダ人の軍医、ジョン・マクレー(John McCrae)が『フランダースの野に』(Flanders Fields)という詩の中で詠んだことが始まりだったそうです。これは戦いで散っていった兵士たち(the fallen)の多大なる犠牲と同志たちの愛を表すシンボルとなりました。(日本では桜の花ですね)

英国在郷軍人会連盟(Royal British Legion)の発足以来、ケシの花運動(Poppy Appeal)として毎年、イギリス軍(British Armed Forces)つまり陸・海・空軍ほか退役軍人などを含みます。

ただ歴史を振り返る日ではない

ここで弔いと支援の対象となるのは、じつは第一次・第二次世界大戦の犠牲者だけではありません。

それ以降のすべての戦争、紛争に赴いた戦没者たち、そしてその家族も。

過去のものではない、現代のものなのです。ここが日本などの終戦記念日とは大きく異なる点だと思います。私の周りでも友人を亡くしたベテランの兵士(司令官級)や若い兵士がいます。

当日のテレビの特集でも存命のベテラン軍人たちだけでなく、現役・退役の軍人と家族たちが老若男女映し出されます。Remembrance Sundayはまったくもって、過去のことに思いを馳せる日という感じではありません。現在も、そして悲しいことにこれからも「今起きていること」なのです。

Lest we forget.(我ら 忘れまじ)

 

#RemembranceSunday #PoppyAppeal

(Photo: courtesy of The Telegraph)

Japan and Nomyunikeishon (nommunication)

I can’t drink. Is it a problem, to blend in the society in Japan?

Hello there.

My name is Rié (<a href=”https://twitter.com/rielondon” target=”_blank”><i class=”fa fa-twitter”></i>rielondon</a>)- I’m a Japanese interpreter based in London.

My step-son is studying Japanese at university and every now and again asks me questions. Interesting questions, as they have never occurred to me…!

Today, I am going to try and answer one of his friends’ questions.

Here we go…

My friend doesn’t drink because of an allergy (not sure to what) and he wondered if for him to get along socially in Japan, whether the sort of ‘social/drinking culture ‘ meant he’d be left out?

Nomenai? – No.  It shouldn’t be much of a problem.

If your friend is out for a big night, and everybody else is drinking hard, others may not understand straight away as to WHY your friend isn’t drinking with them.

Some may need more explanation than others before they get it, and others may read too much into it, wondering whether it is an excuse and that he actually doesn’t like hanging out with them.

I’m only kidding! Don’t worry.

Seriously, if he wants to make sure his friends have understood and know that he wants to be friends with them, then he can prepare a simple enough story.

Story that is true to describe that happened to him in the past, or to others people he knows. I’m sure they would appreciate his honesty.

Perhaps, it is  helpful if he helped them whether it is the drink and drink only that he can’t take or that he actually doesn’t like the drinking atomosphere either.

Nomenai! In terms of friendship building,

…or other sort of ‘ship’ building he is trying to nurture, Nommucation (combination of words between ‘nomu’ 飲む or 呑む= to drink in Japanese and English word loaned ‘communication’) becomes more important once in professional life, I’d imagine.

If and when he works in Japan, and one day he is invited for a drink, a casual ‘after 5’ (or after 8pm, I don’t know) for example, then even if he can’t drink he should still come along — if he wants to.

He doesn’t have to drink alcohol. He can drink 0% alcohol beer instead! It wouldn’t be so noticeable that he actually is not consuming alcohol, as long as he is there with them, having a good time together.

Nomenai!! If your friend happens to dislike alcohol flavour altogether,

…then it’s a different story.

But don’t you worry.

I’m only saying this because there is a better idea.

Have you heard of an illness called ‘gout’?

If you haven’t heard before, you can look it up easily. It is called Tsuuhuu (Tsuufuu) 痛風(つうふう)in Japanese.

He could tell them he suffers from gout, or if he is too young to have that problem he could say his father (a white lie!) does and therefore he needs to be careful as well or something along the line.

And — don’t forget to add the most important part as follows:

Nevertheless, he loves hanging out (with his friends), and he can even suggest where to go and what to do, if he feels up for it.

I hope above helps 😉

What’s your Japanese culture-related experience?

 

Photo: http://nomenai.blue/column/

Voice 02: 通訳者と発声とウィスパリングの関係

 

ロンドン在住日英通訳者の平松里英(rielondon)です。

 

今日は発声について

通訳における発声のポイントは、

「自然な、美しい声を、豊かに、スムーズに出すこと。」

 

朗々と、大きな声

を出すことよりも、

 

自然な声を

美しく

ゆたかに

なめらかに

出すこと。

 

では、そもそも発声とは何でしょう?

 

硬起声と軟起声

発声には軟起声と硬起声の二種類あります。

 

軟起声は、のどが開いた状態で、スムーズに自然に出る声。

声帯が中央にそっと寄ってきて合わさる感じです。

 

その反対に、硬起声は、声帯を強くぶつかるように合わせて、

声の出だしに、強いアタックを使うときは硬起声です。

 

通訳者は声を多用する(話者 全員分 しゃべる!)仕事で、常にのどを酷使しています。

硬起声は声帯への負担が大きく、つねに声を使う仕事をしている通訳者にとっては大敵!

通訳者にとって、声をサステナブルに使うこと。

大事な道具を持続可能な使い方をしているかどうか。

これは死活問題です。

 

硬起声になりがちな人は、

長期的に見ると、声帯ポリープや結節など、問題が発生しやすくなるため、

軟起声を心がけ、硬起声をやめるよう、注意しなければなりません。

 

声帯と呼吸

まず、声はのどや口だけで出すものではないということ。

いうなれば、上半身全体で出すものなので、精神的に緊張していたり、

体が硬直したりしていると、よい声は出にくいのです。

 

また、首筋や背中など、どこかに無意識に力が入ってしまう体勢(姿勢)もNG。

前かがみ、逆に、後ろにそっくり返り気味の姿勢では、ゆったりとした声は出にくいです。

 

心身ともにほぐすこと。この筋肉も含めて、リラックスした状態をつくる。

 

このことは、首や肩、背中だけでなく、顔の表情筋にも当てはまります。

しかめっ面やこわばった表情をしていると、それが体全体に伝わり、

声を出すときにも、声帯やそのほかの筋肉がこわばってしまうのです。

 

通訳者はとくに声を意識しなければならない

通訳者の声とは、聞き手にとって長時間にわたり耳にする声です。

そして、その聞き方も、なんとなく耳にしているというより、

ヘッドフォンやイヤホンを使い、集中して聴いていることが多い声です。

 

だから、長いあいだ聞いていても、聞き手にとって疲れない声であることが大切です。

 

自分の声の欠点にはなかなか気づかない

声の質はもちろん、声の出し方トーン調子…。

 

自分の声のクセは、自分一人では、なかなか気づけません。

 

常に耳を鍛え、自分の耳で自分の声を客観的に評価できるように

同時に、自分の声が他の人にどう聞こえているかどう響いているか、を常に考えること。

 

ウィスパリングのささやき声

ロシア語の会議通訳者 Cyril Flerov 氏も自身のブログの記事  “Whispering in Your Ear is Bad Idea!”のなかで、はっきりと提言しています。

 

“your voice gets tired extremely quickly, whispering is very damaging to the vocal folds

すぐに声が疲れてしまい、ウィスパリングは声帯へのダメージも大きい)

 

ないしょ話のときに使うヒソヒソとした「ささやき声」は、

のどを震わせず、それでも声門から息は出ているので、

ボリュームが小さく、一見やさしそうなイメージですが、

 

声帯への負担は大。

 

のどを震わせず、聞こえにくい分、余計に声帯に力をかけているのです。

通訳の仕事のなかでウィスパリング※ をするよう依頼されることがあります。

※シュショタージュ(Chuchotage=フランス語でささやくの意)ともいいます。

 

とくに、会議・ミーティングで発言の言語がわからない人が1人や2人など、

少人数のときに、この手法がよく使われますが、気を付けなくてはいけません。

 

だからといって、リクエストに対して、

「のどに悪いのでウィスパリングはお断りします」

とは言えませんから、

 

のどに負担がかからないように、ささやき声ではなく、小声で行うようにするということです。

小声、つまり、ちゃんと声を出しているけれども、ボリュームは小さく。

 

意識してみて下さいね。

 

 

ご質問、コメント、そしてご相談も大歓迎です。コメント欄、お問い合わせページ、 Twitter からもご連絡いただけます。

 

「声トレ」のレッスンのお問い合わせコースに関するご相談 平松里英にメール で、お気軽にどうぞ。

 

▶ 関連記事 母音の無声化 (キ・ク・シ・ス・チ・ツ・ピ・プ・ヒ・フ・シュ)

 

【お知らせ】

『通翻Web』にて連載中!

くわしくは「通訳者通信fromロンドン」をご覧ください!

 

イギリス、アイルランドからヨーロッパ全域へ出張して通訳しています。

こちらのカテゴリーでは、通訳者の皆さんにとって役に立つ「声」、「のど」、「滑舌」 などについて書いています。

記事は、時代の変化に合わせて、随時加筆したり改訂したりしています。

Photo: https://aidanews.com/2014/06/19/whisper-voice-makes-the-muscle-hypertonia/

国連事務総長 就任「2017年を平和の年に」演説

Appeal for Peace 01.01.2017

ロンドン在住日英通訳者の平松里英(rielondon)です。今回は 国連事務総長正式就任2017年年初の演説 を取り上げます。「気になる英語表現」は最後にあります。

 

【今日取り上げるニュースメディア】

UN News Centre New UN chief Guterres pledges to make 2017 ‘a year for peace’

【ざっくりサマリー】

✔ 新 国連事務総長にポルトガルのグテーレス氏が正式に就任

✔ 年初の演説で「2017年を平和の年に」と訴え

✔ 次期 国連事務総長に決まったのは2016年10月13日

✔ 任期は5年後の2021年12月31日まで

✔ グテーレス氏の略歴

2017年1月1日 新 国連 事務総長の正式就任

2017年元旦、第9代 国際連合事務総長にアントニオ・グテーレス(António Guterres)氏が国連総会(the UN General Assembly)にて正式に就任しました。

「これまでは安全保障理事会が候補を一人に絞り、この唯一の候補のみが国連総会に提案されていました。安全保障理事会でのいわゆる密室の協議で事実上決定されていたため、選出プロセスの閉鎖性に批判が集まっていました。」(http://www.unic.or.jp/news_press/info/18566/)

これを受け、2016年4月には国連初の試みとなる公開面談が行われ、10月に初めに国連安全保障理事会(the UN Security Council)が国連総会に勧告し、就任が確定しました。

そして、就任宣誓式(swearing in – ceremony)が12月12日でした。

激震の2016年、2017年は?

「一年の計は元旦にあり」

暗澹たる、そして激動・激震の2016年が幕を閉じ、続く新年の幕開けでの交代だけあって、

2017年を方向づける幸先の良い出発だったと、後で振り返れるよう願わずにはいられません。

国連事務総長の任期

さて、グテーレス新事務総長(Secretary-General)は1995年から2002年までポルトガルの首相を務め、

2005年から2015年までは国連難民高等弁務官(the UN High Commissioner for Refugees )として様々な活動に従事。国連事務総長の任期は5年なので、2021年末までということになります。

なお、第8代の国連事務総長 藩基文氏の任期は2007年から2016年までの10年間(つまり5年任期を2期)でした。

これまでは、近年では、第6代事務総長 エジプトのブトロス・ブトロス-ガーリ氏が、アメリカが再選に際し拒否権を発動したため5年で退任した以外は、第7代 コフィ・アナン氏、第5代 ハビエル・ペレス・デクエヤル氏も2期(10年)務めています。

事務総長による新年のスピーチ全文

新事務総長は新年の抱負として、“Peace must be our goal and our guide” と述べ、2017年を平和に向けた年とするようすべての市民、各国政府、指導者たち(all citizens, governments and leaders)に向けて様々な相違を超える努力をするよう(to strive to overcome differences)訴えました。

2017年1月1日 国連事務総長スピーチ 平和への訴え -全文-(Appeal for peace from UN Secretary-General Antonio Guterres)

他メディアの関連ニュース

2016年10月13日のCNNニュース「国連がポルトガルのアントニオ・グテーレス氏を次期事務総長承認 (UN approves Portugal’s Antonio Guterres as next secretary-general)

では、10月5日に逃げ切りの最有力候補as the Security Council’s runaway favorite)となっていた氏を193加盟国の全会一致で次期事務総長となることを承認したと報道されています。

どんな国連事務総長になるでしょうか。

2016年10月6日のBBCニュース 「グテーレス氏とは誰なのか。次期国連事務総長の人物像 (Who is Antonio Guterres? Meet the UN’s next secretary-general)」では、

グテーレス氏は副事務総長に女性を起用すると予想されます。「男女共同参画」の国連における重要性を説いてきたからです。

He is widely expected to select a woman as deputy secretary-general, having said that “gender parity” is crucial at the United Nations.

とあり、

ヨーロッパ外交評議会の研究員、リチャード・ゴワン氏によれば、内部関係者はポルトガル出身のグテーレス氏が「国連に必要な『尻叩き』をしてくれるのではないか」と話している、とのこと。

Richard Gowan, a UN expert at the European Council on Foreign Relations, said insiders believed Mr Guterres, from Portugal, “could give the UN the kind of kick up the backside it needs”.

グテーレス氏の背景

グテーレス氏は、50年余り続いたポルトガルの独裁政治が終焉した1974年に社会党に入党し、間もなく専従の政治家になりました。[それ以前は大学で電気工学と物理を勉強し助教授をしていた。]

He joined the Socialist party in 1974 – the same year five decades of dictatorship came to an end in Portugal – and soon became a full-time politician.

 

1995年には社会党の書記長に就任、のちに首相に就任し2002年まで務めました。

In 1995, three years after being elected the Socialist Party’s secretary-general, he was voted in as prime minister, a position he held until 2002.

 

今回の国連事務総長の指名前のUNHCR(国連難民高等弁務官)としての経験が今回の人事への試金石(=意訳)となりました。

Prior to his nomination, he said that his work at the UNHCR had been excellent preparation for a secretary-general.

第9代 国連事務総長の役割

事務総長の役割(The role of the Secretary-General)」に、以下のように記されています(抜粋)。

立場が対等な外交家であり唱道者であり、公務員であり、CEOである、事務総長は国連の理想の早朝であり世界の人々、なかでも特に貧しく弱い人々の利害における代弁者である。

Equal parts diplomat and advocate, civil servant and CEO, the Secretary-General is a symbol of United Nations ideals and a spokesman for the interests of the world’s peoples, in particular the poor and vulnerable among them.

 

《注目の英語表現》

  • The UN Security Council  国連安全保障理事会
  • The UN General Assembly  国連総会
  • gender parity  男女同権、男女共同参画
  • at the helm of the United Nations  国連の舵取り役に当たり
  • civilians are pounded with deadly force  市民が致死性の高い武力で猛攻撃を受けている
  • forced from their homes, dispossessed and destitute  家を追われ、貧窮しており
  • fueling cycles of mistrust and fear that can last for generations  不信と不安の循環のエネルギーとなって何世代nにも続く可能性がある
  • peace must be our goal and our guide  平和が私たちの目標であり、手引きでなくてはならない
  • I appeal to you all  懇願する(切に訴える)
  • equal parts diplomat and advocate  立場が対等な外交家であり唱道者
  • the poor and vulnerable  貧しく弱い立場にある人々

 

今年最初の記事は1月1日のグテーレス氏のスピーチの中から、次のことばで締めくくろうと思います。

それではまた!

 

“all that we strive for as a human family […] depends on peace.

人類 として私たちが尽力することのすべては平和にかかっています。

But peace depends on us.”

ところが、平和は私たちにかかっているのです。

 

ご質問、コメント、そしてご相談も大歓迎です。コメント欄、お問い合わせページ、またはTwitter からどうぞ。

 

▶ 関連記事 国際連合広報センター「この人に聞く:次期国連事務総長に任命されたアントニオ・グテーレス氏」

 

イギリス、ヨーロッパ地域の現地通訳をお探しの方

ロンドン在住の通訳者 平松里英のウェブサイトRie.Londonをご覧ください。

(上記ウェブサイトは私が制作・運営しています。ウェブサイトの翻訳・共同制作のご相談も受付中。)

ボイスサンプル、ビデオサンプルも視聴できます。

 

イギリス、アイルランドからヨーロッパ全域へ出張して通訳しています。

こちらのカテゴリーでは世界の動き、最近の世界のニュース・情報の中で使われている英語表現・時事英語について書いています。

対応地域はEMEA地域。イギリス国内、ヨーロッパだけでなく「欧州の裏庭」ともいわれるアフリカ諸国、中東へもイギリスから飛行機で7~8時間ほどですので効率的です。

平松里英にメールする

※記事は、時代の変化に合わせて、随時加筆したり改訂したりしています。

 

カテゴリー:世界の動きと英語

通訳という不思議な職業…?入門編

ロンドン在住通訳の平松里英(rielondon)です。
 いつも楽しく読ませていただいている『日本とアメリカで働く翻訳者のブログ』。
 

そのなかの「謎の職業?翻訳者」と「翻訳者と通訳者の大きな違い」という2つの最近の記事。

これを受けて通訳の視点から書いてみました。(はなさんにはご了承をいただいています)

このブログオーナーのランサムはなさんとは面識があり、尊敬する翻訳者さんです。

はなさん、これから通訳の勉強をされるんですね!がんばってください。応援しています!

それでは、さっそく書いていきたいと思います。

まず、はなさんが異業種の方々と交流していてほとんどの方に言われるという「翻訳の人って、今まで会ったことがない」というもの。通訳はどうでしょうか。

翻訳と違い、あまり家でやる仕事ではないので、私個人の経験ではさすがに言われたことがないですが、翻訳と通訳とを同義に思っている人が多いのは確かです。

通訳の場合、仕事を通して人と会うことが多いので、上記のやり取り自体があり得ないということもあるかもしれません。

それでもオンラインなどでフォームに記入するときなど、職業や業種を選ぶドロップダウンメニューの中にいまだに含まれていないところを見ると、両方とも、やはり知られていない、誤解されている職業なのかもしれません。歴史の古い仕事なんですけどね。

通訳で圧倒的に多い勘違いは「英語(他言語)が話せればできるんでしょ?」と思われていることです。日本(人)にはまだまだ日本語しか話さない人が多いから通訳が必要だけど、みんながもっと英語が話せるようになれば、通訳なんて「この世からなくなる仕事だ」と思っている人の多いこと!

さすがにこれを面と向かって言われることはないですけれど、相手がそういうふうに考えている時、いくらなんでもわかりますよ。

通訳という仕事に対する誤解の中で、声高に言いたいと常日頃思っているのが、通訳するスキル=外国語が話せる「ではない」こと。

通訳するときに必要なスキルの中でつくづく忘れられているな、と思うのは「記憶保持」。

通訳とは、平たく言うと、話されたことを順番通りに、理解し、覚えておき、もう一つの言語で再現するという作業ですから「正確に」「覚えておく」というスキルが「ものすごく」大切なのです。

どうでしょうか、外国語を勉強するとき、書く・読む・聞く・話すの4スキルは練習するけれど人のスピーチをそっくりそのまま「記憶する」練習なんてしますか?しませんよね?

学生時代にE.S.S.に入っていたのですが、そのスピーチ委員会に入っていた人たちはキング牧師の「I have a dream」のスピーチを毎日毎日練習して、マントラのように唱えて丸暗記するまでやっていました。そのような場合はともかく、普通に語学を勉強するときに、人の話を要素を漏らさず「再現するつもり」で聞いている人はいないと思います。

記憶保持(リテンションと言います)のスキルだけについていえば、外国語スキルとは関係がなく、単一言語でも練習ができる。通訳するにはなくてはならないスキルだけれど、外国語能力とは別の能力です。

翻訳と通訳で似ているところは、まず高度な語学力が必要なところ。「確かに英語は勉強しているから、知識はある…だけど、しゃべれるかどうかは全く別の話」 ― そう、聞いてわかるのと同じレベルで話せるかと言ったら、そうじゃないのは、中学高校大学と10年も勉強してきたのに英語が話せない人が圧倒的に多いことからも明らかですね。

それでも、聞く分にはある程度はわかるという人も多いはず。ところが、それと同じくらい話せるかというと、そうではない。受け身の力だからです。

「英語がしゃべれない翻訳者は実はたくさんいる」というのも本当に翻訳者同士では珍しくもなんともない話で、通訳者だってこのことは知っています。

それから「辞書なんていらないでしょ?」と思われるのは通訳者も同じで、いきなり「○○って何(ていうの)?」と出し抜けに辞書代わりとばかりに質問されることも少なくありません。

コンテクスト(周辺情報)なしでは特定できないのは翻訳も通訳も同じですよね。

photo : slideshare.net

(つづく)

Voice 01: 母音の無声化 (キ・ク・シ・ス・チ・ツ・ピ・プ・ヒ・フ・シュ)

カテゴリー:ボイスオーバー

ロンドン在住日英通訳者の平松里英です。このカテゴリー初の投稿です。

今回はアナウンサーや声優など、

声のお仕事、しゃべりのお仕事に携わる人なら知らない人はいない

無声化について。

通訳者にとって「無声化」がどうして大切なのか

についてお話しします。

その前に、

ボイスオーバーとは?

私は通訳のお仕事以外にボイスオーバーのお仕事もしていて、

ドキュメンタリーのリポート素材に日本語音声を作成(翻訳)して載せたり、

企業の紹介ビデオに声を載せたりという仕事もしています。

ボイスオーバーとは、外国語のニュース番組やドキュメンタリーといった

映像素材のオリジナルで録音されている音声の上に、

翻訳された言葉(別の音声)をかぶせること。

 

では、ボイスオーバーと吹替えは違うのか。

 

違います。

 

その違いを簡単に言うと・・・

 

吹替えでは映像の原音がすべて消えているのに対し、

ボイスオーバー原音がかすかに残っています。←はずなのです。本来は。

 

また、事前に原稿が渡される吹替えの仕事と違い、

ボイスオーバーでは、たいてい現場に行ってすぐに収録をするので、

初見で、噛まずに、手早く録音作業を終えられる能力が求められます。

 

ボイスオーバーには、同時通訳の仕事とは異なるチャレンジがあります。

さまざまなチャレンジが刺激となり、成長させられます。

やりがいのある仕事に恵まれるのは幸せなことです。

 

声が大切な仕事道具ということは

風邪を引くと普段の声ではなくなってしまいます。

花粉症や鼻炎など、アレルギー反応でもそうですよね。

また、どんな仕事であっても、イライラやフラストレーションが溜まることってあります。

それが即、声に出てしまう。

自分の周りにクシャミや咳をしている人がいると

風邪をうつされては困る‼

と、ついつい神経質になってしまいますし、

夜遅くまでお酒を飲んだりすれば、翌朝の声はいつもの声ではなくなっています。

まあ、お酒に関しては年齢とともに少なくなり、さすがに今はなくなりましたが。

 

その日のコンディションがモロに出てしまう 

これも効果的にコントロールする術を身につけ、磨いていかないと・・・!!

「ムセイカ…無声化って何?」

とお思いの方はこちらを参考にしてくださいね。

 

日本にまだ住んでいたころ、すでに何年か前になりますが(苦笑)

某テレビ局の「アナトレ」に通いました。

 

入門から上級終了まで行きましたから、結構の期間だったとおもいますが、

とてもよい勉強になりました。

 

今でも、直接的に、そして間接的に、仕事や普段の生活に役に立っていると思います。

 

きれいな日本語の音づくりに欠かせない無声化

この無声化ですが、アクセント、鼻濁音とともに「声」の仕事をしている人なら避けては通れない重要なポイントです。

 

一定のルールがあって、

通常は母音有声音(発音すると喉が震える)なのに、

 

ルールが該当する場合には、

特定の子音の後ろの母音無声化する(発音しても喉が震えない

というもの。

 

それだけでとても長くなりそうなので、このルールを詳しくここで記載することはやめておきます。

このルールがわからない、知りたい!という方。

ご要望が多ければご紹介しますので、

コメントでも、問い合わせでもOK。とりあえずご連絡ください。

 

無声化する10個の音

さて、タイトルに挙げた、「キ・ク・シ・ス・チ・ツ・ピ・プ・ヒ・フ・シュ」という10コの音。

これが、場合により無声化する音です。

 

その昔(その昔ぃ??)先生に

キ ク シ ス チ ツ ピ プ ヒ フ シュ と暗記してしまいなさい!」

と教わったことを思い出します。

 

美しい日本語、正しい発音

日本語を正しく、美しく、発音すること。

つまり間違った音を広めないよう日頃から心がけること。

でも、口で言うほど簡単ではないのも事実ですよね。

 

「正しい」アクセントとは・・・。

(ちなみに、方言や訛りを否定するものではありません。)

 

ここでは、無声化や鼻濁音になるべきルールに則ったアウトプットをする、そういう意味だと思ってください。

無声化せずに、全部ベターっと発音すると、

どこかしらロボットが話しているみたいに平坦になってしまい、

不自然で、素人っぽくおかしな感じに。

お世辞にもベストプラクティスとは言い難いのですが・・・。

 

しかし、かといって反対にやりすぎてしまう(意識しすぎてしまう)と、

「上にまいりま~はぁす♪」

「エレベーターのお○○さん」みたいな口調になってしまいますから、注意が必要です。

 

通訳や翻訳の仕事も奥が深いけれど、ボイスオーバーも奥が深い。

興味がある方は、声トレをおススメ。

Transferable Skill (転換できる、使い回しが効く技術)

だと思いますし、

通訳の仕事とは 補完作用がある と思います。

発声練習や、滑舌練習、ニュース原稿の読み方以外にも、
自分の家のテレビでも見たことがあるスタジオを使って本番さながらにしゃべらせてもらったり、

リポートや実況中継などの練習もさせてもらいました。

では、今日はこの辺で。

 

ご質問、コメント、そしてご相談も大歓迎です。コメント欄、お問い合わせページTwitter からもご連絡いただけます。

ちなみに私が受けた「アナトレ」の詳細はこちら

「声トレ」のレッスンのお問い合わせコースに関するご相談平松里英にメールで、お気軽にどうぞ。

イギリス、アイルランドからヨーロッパ全域へ出張して通訳しています。

 

こちらのカテゴリーでは、通訳者の皆さんにとって役に立つ「声」、「喉」、「滑舌」などについて書いています。

通訳や翻訳のお話だけではなく、ボイスオーバーの話も、追々少しずつご紹介していけたらと思っています。

※記事は、時代の変化に合わせて、随時加筆したり改訂したりしています。
Older posts

© 2018 I INTERPRET LONDON

Theme by Anders NorenUp ↑